Game Journal.Net ゲーマーによるゲーマーのためのボードSLG専門誌

Game Journal.Net ゲーマーによるゲーマーのためのボードSLG専門誌

最新号

ゲームジャーナルNo.46 謙信上洛

表紙

解説

 天正6年(1578)6月。毘沙門天の化身と呼ばれた越後の上杉謙信が長年の夢であった上洛の途についた。
 その前に立ちふさがるのは織田、徳川連合軍、14万の大車である。かくして「戦国最強の男」対「中世の破壊者」の織田最大の決戦が始まる。

 「謙信上洛」は、平成2年に出版された、「もし上杉謙信が京に上ったら」という仮定に基づき、戦国時代の戦いを再現したシミュレーショングームである。
 プレイヤーは上杉側と織田側に分かれ、各々の陣営の軍勢を動かしてゲームを進めていく。
 ゲームシステムはオーソドックスな移動と戦闘を組み合わせたものを使用しているが、防御側のリアクションと攻撃側の強行軍を取り入れ、上杉、織田両軍の機動力の差を再現している。
 また、ゲーム中のユニットは総勢140人にも及ぶ実名の武将名が書かれており、ゲームの雰囲気を盛り上げる。

 本作は同社の名作「信玄上洛」と並ぶ人気作であり、長年再販が待望されていたにもかかわらず、長期間入手困難な状態が続いていた。
 今回、その幻の名作が実に23年の時を経て、ついに蘇る!

MAP

マップ拡大

内容

越後春日山
 天正6年(1578)6月、越後春日山城下は人馬に満ち満ちていた。2ヵ月に渡り関東に出陣し、北条家を小田原に封じ込めた兵である。
 城内ては、これらの兵を率いてきた武将達と謙信の軍議が行われていた。
 「おのおの方、今度の関東でのお働き、大儀である。余は関東管領の職を拝し、関東の平定に当たっていたが、言うまでもなく、関東管領とは将軍家の家臣、されば、関東を私掠せんとする北条を小田原に追い、関東の仕置が一段落した今こそ、中原にて将軍家に弓を引きし逆臣信長を討つ時である。この戦、無論、義の戦である……」

近江安土
 完成したばかりの5層7重の朱塗りの大天守で、信長は謙信上洛の報を聞いていた。
 「で、ありまして、その兵は少なく見積っても4万以上の大軍であります」
 「デアルカ」
信長は口上を述べている使者にはいちべつもせず、眼下に広がる琵琶湖の湖面を見ながら答えた。
 「いかがなさいましょう」
 「ふっ、知れた事よ。毘沙門天と真っ正面から戦こうて勝てる訳もなかろう。越前の勝家には、逃げるか、籍城するか勝手にしろと使いを出せ!」
 「ははっ」
 「さて、どう戦うものかのう」
琵琶湖はあくまで静かだった。

遠州浜松
 「謙信の事聞いたか」
家康は傍らの老臣酒井忠次に問うた。
 「はっ、聞き及んでおります」
 「信長公も毘沙門天が相手では、さぞかし難儀する事であろう」
 「殿、信長公の事より、自分の事をお考えなされ!信長公が謙信と対峠して後詰めに出られないと知れば、必ずや勝頼めはこの遠州を攻めかけましょうぞ」
 「分かっておる.。信長公へ援軍は出せぬが、この浜松は守り抜く位はせねばな、まあ、信長公が勝てば我らも勝ちじゃ、しかし……」

甲斐躑躅ケ崎館
 長篠の合戦以来、武田家にしては珍しく躑躅ケ崎館は人の出入が激しかった。
 その躑躅ケ崎館の大広間では北信海津城主、高坂弾正より重大な報告がなされていた。
 「謙信殿の言われるには将軍家を追った信長を討つべく兵を挙げる。当家も将軍家に忠誠を誓うならば、家康に対し攻勢に出て欲しいとのことです」
 「上洛の事、真か」若き当主、勝頼は尋ねた。
 「越後国内に入り込ませた者からも同様の報告、上洛は間違いありませぬ」
 「本願寺よりも同様の書状が届いております」武田家の外交を司る穴山梅雪が答える。
 「うむ、されば決まりである。謙信上洛ともなれば、信長もむやみに兵を動かせまい。家康を攻める好機である」
 「皆の者、兵を動員させ、一気に家康を攻める。その旨、上杉、本願寺、毛利に使者を送れ」
 「ハハーッ」一同は頭を垂れた。
 「御旗楯無に御照覧あれ!」
 「御旗楯無に御照覧あれ!」

安芸吉田
 毛利150万石の本拠地、安芸吉田城内の大広間では当主輝元が叔父に当たる吉川広家、小早川隆景と共に下段の間にひかえていた。上段に座っているのは京を追われた将軍、足利義昭である。
 「輝元、越後の謙信がついに立ったぞ、信長を追い余を再び京へ迎えるとのこと、誠に忠勇な武将じゃ」
 義昭は上機嫌である。
 「輝元、余も早う京へ行きたいぞ。毛利も兵を上げるのじゃ」
輝元は平伏しながら答えた。
 「間もなく、播磨へ兵を出しまする。京へ上るのも程なく、」
 「ウム、楽しみにしておる、急いでおじゃれ」
義昭はあくまで上機嫌であった。

 このゲームは現実には成し得なかった上杉謙信の上洛戦を再現したシミュレーショングームです。
 ゲームシステムはオーソドックスな移動と戦闘を組み合わせたものを使用していますが、防御側のリアクションと攻撃側の強行軍を取り入れ、上杉、織田両軍の機動力を再現しています。
 また、ゲーム中のユニットは総勢140人にも及ぶ実名の武将名が書かれており、ゲームの雰囲気を盛り上げています。

ゲームデータ

テーマ
天正6年にあり得た上杉謙信の上洛戦
カウンター数
252
マップ
フルマップ1枚
ゲーム期間
天正6年6月~10月
ゲームの範囲
東は越後春日山城、西は播磨上月城までを含む近畿、中部地方全域
プレイ時間
3~6時間
プレイヤー数
2人
難易度
4(5段階、5が最高)