武将の能力には階級、野戦能力、戦意の3つがあり、階級(2段階)が高い武将は多くの軍勢を引率して行動でき、野戦能力が高い武将は当然野戦で有利で、戦意が高い武将ほど行動できる機会が大きくなる。
この結果、階級と戦意が高い小西行長、黒田長政、加藤清正等の武将が先鋒として使われる。
特に、加藤清正は階級、野戦能力、戦意の3つ全てが最高ランクで、本作における最強武将である。
一方島津、立花などの武将は野戦能力は加藤清正と同等以上だが、戦意と階級(豊臣政権下での地位)が低いため、他の武将の指揮下で転戦していくことになる。
朝鮮軍は官軍と義兵の二部隊からなるが、官軍の武将は野戦能力、戦意とも最低で、義兵の武将は野戦能力は玉石混合だが、戦意(行動能力)は高い。
ただ階級が低いのでまとまった兵力を運用しづらく、必然的に「敵が引けば押し、敵が押せば引く」のゲリラ戦が中心となる。
明軍の武将は一律に戦意(行動能力)は高く野戦能力は平凡だが、一般に階級が高く、打撃兵力としてまとまった兵力を運用できるのが大きい。
ゲーム展開としては、明国との国境方面に逃走する国王と二王子を追って、釜山に上陸した日本軍が無人の野を往くがごとく進撃し、京城で二手に分かれて北辺の国境目指して進撃していくが、その間進撃路の側面で次々と義兵が蜂起していき、明国の大軍が参戦するや、兵力が延びきった日本軍は厳冬のなか京城目指して押し戻されていく。
特徴的なのはシリーズの他作品と異なり、「イベント」を除いて通常のエリアでは「攻城戦」が発生しない点。
加えて軍勢が駐屯していない地域では「支配」の概念自体が存在しないため、点と線のみを支配する日本軍の精鋭に対し、両側面をゲリラ戦で脅かす朝鮮義兵軍の側面支援のもと、打撃兵力である明軍が京城奪回目指して突進していくという構図が明瞭に再現される。
構想十余年、流動的なゲーム展開でキャラクター性が強い作品でありながら、全体的の展開としても史実の雰囲気を再現する、長年待たれた問題作!!!