1944年、秋。
大日本帝国は、絶体絶命の危機に瀕していた。
6月、連合艦隊は総力を賭して挑んだマリアナ沖海戦で大敗。
開戦以来、西太平洋に雄飛した日本機動部隊は壊滅し、絶対防衛線死守の願望は夢と潰えた。
10月、ついに連合軍の大部隊がフィリピンに襲来する。
帝国は、知略と残された水上艦隊の総力を挙げて、最後の決戦を挑む。
迎え撃つは、闘将・ハルゼー率いる圧倒的なアメリカ太平洋艦隊。
南下する小沢部隊。
北上するハルゼー機動部隊。
突入する栗田艦隊。
乱舞するカミカゼ。
世界最強の巨艦、大和と武蔵が巨体を震わせて突進する。
連合艦隊は、レイテ湾に突入し、有終の美を飾れるか!?
特集:レイテ湾決戦
リプレイコミック
大和突入せよ!
大和対米戦艦もし戦かわば
無敵帝国海軍の幻影
レイテ湾口海峡波高し
特別企画
岡田厚利おおいに語る!!
捷1号作戦[海外DTPライセンス作品第1号]
捷1号作戦の全貌を戦役規模でゲーム化。
このゲームでは、連合軍は、レイテ湾、リンガエン湾、台湾のいずれかに上陸できる。
日本軍プレーヤーは、本土(地図北端)とブルネイ(及び地図西端)に部隊を配分するが、連合軍の上陸予定地点を正しく予測し的確に配置しなければならない。
極端な配置をして予測が外れた場合、取り返しがつかなくなる危険がある。
一方海を覆う連合軍の侵攻部隊にとって、もっとも危険な敵は、日本軍の航空部隊である。
このため、連合軍プレーヤーは空母部隊によって、事前に日本軍の陸上基地を叩いておかなければならない。
また、連合軍プレーヤーは各方面から殺到する日本艦隊について、どれが主力でどれが囮か的確に判断しなくてはならない。
幻のレイテ湾海戦
[オリジナル砲撃システム提供・中澤孝継]
[スタンダードシステム・ふ~ら~中村]
シンプルかつユニークな指揮統制制限および砲撃システムを採用。
このゲームでは、毎ターン回頭をおこなえる戦隊数が2個に制限されている。
さらに、戦隊が出せるスピードが最大速度に固定されているため、速度の異なる戦隊に共同歩調を取らせることが非常に難しく、プレーヤーは自由自在に自分の艦隊を操ることができない。
各艦艇は、艦艇ユニットと砲撃マーカーに分かれ、砲撃マーカーは最初は命中率が低いが、命中するとマーカーを裏返して「狭叉状態」となり、「狭叉状態」からでないと有効な損傷を与えられない。
そして同じ目標への射撃を継続しなければ有効な弾着は期待できず、そして回頭をおこなえば折角蓄積した着弾データを放棄して、一から弾着をやり直さなくてはならない。
このため、有効な射撃を継続するためには、プレーヤーは変針を最小限に抑えるなければならず、従来のゲームが「如何に自艦に運動させるか」というのがプレーヤーの腕の見せ所だったとすると、本ゲームでは「如何に自艦に運動させないか」「変針を最小限に抑え、如何に最も効果的なタイミングで変針をおこなうか」がプレーヤーの腕の見せ所となる。
また、放っておくと速度の異なる戦隊はどんどん離れていくため、上手く先の機動を予測しておかないと、突出した戦隊が孤立し各個撃破されてしまう。
この結果、このゲームでは先を見越して艦隊を運動させることが非常に重要になり、無計画に変針を繰り返すようなプレーヤーは、まず勝ない。
こうして日本海海戦における東郷ターンのような、あるいは日露戦争の黄海海戦における3分間の変針ロスのような、勝負所での1回の変針の正否が、ゲームの勝敗を分ける。
シンプルな作品ながら手軽にレイテ湾海戦の水上砲撃戦シナリオを楽しめる佳作。