Game Journal.Net ゲーマーによるゲーマーのためのボードSLG専門誌

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最新号

ゲームジャーナルNo.9 キエフ奪回作戦

表紙

解説

超ワイドグラビア
激闘!キエフ奪回作戦を教育してやる!
キエフ奪回作戦~リュティシ橋頭堡1943 ~
ゲームで見る43年後期ウクライナ戦役
はじめてプレイする人のための指針
ジトミルの奇跡
1943 年後期の独ソ両軍編成と戦術
キエフ・ジトミル戦 登場部隊列伝
キエフ・ジトミル戦 リプレイコミック

特別企画
誌上ビッグ対談/中澤考継vs ソンシー浅野
ゲームガイド
モンティズ・ギャンブル:マーケット・ガーデン作戦
ブルーVS グレー
Gettysburg1863 Chickamanuga&Chattanooga
MARATON&GRANICUS S&T 誌214 号

連載
東部戦線作戦史/封印された第一次大戦/フリードリヒ大王と啓蒙時代の戦争/ASLの戦場/日本戦史雑話/B 級SF ゲーム分科会/ヒストリカルゲーマーのための映像アイテム/知られざる名将たち/世界バカゲーム悲報/ゲームジャーナルNEWS

内容紹介


1943年、秋。東部戦線は深い憂いの色に包まれていた。
7月に発動された乾坤一擲の大作戦・シタデレ(城塞)は失敗に終わり、かつて存在したドイツ軍精鋭の大半はクルスクの野に消えた。赤軍の大反攻はドイツ軍を翻弄し、ドイツ軍は為すすべもなく後退を余儀なくされる。傷ついたドイツ軍に残されたものは、ただ希望のみであった。すなわち、後方にはドイツ本国の防衛線に至るまでの最後の天然の障壁ドニエプル河が、戦勢を立て直す最後の望み「東方防壁」として横たわっていたのである。
しかし、ヒトラーの度重なる死守命令のために、「東方防壁」への退却は遅れに遅れる。結果、ドニエプルへの後退は赤軍との競争となった。
9月。怒濤の進撃を続ける赤軍大部隊は、キエフ南方でついにドニエプル河に到達。
赤軍はカネフの北、ブクリン橋頭堡から強行突破をはかるが、ドイツ軍は機動防御で辛うじて阻止に成功する。
しかし、ドニエプル河沿いのソ連軍の大攻勢は、いまや最高潮に達し、「東方防壁」はキエフの北、リュティシ橋頭堡からついに決壊をはじめた。11月3日、バツーティン元帥麾下の軍集団は、リュティシ橋頭堡から突進を開始。歩兵30個師団、戦車24個旅団、自動車化10個旅団のソ連軍が、濁流のようにドイツ軍戦線を飲み込んだ。11月6日にはキエフが陥落。第25装甲師団は圧倒された。ドイツ中央軍集団と南方軍集団の間に鋭いくさびが打ち込まれ、統一のとれた戦線はもはや存在しなかった。
東部戦線の崩壊への序曲である。
この危機的状況にあって、しかしマンシュタイン元帥は慌てなかった。11月6日、マンシュタイン元帥は、第48装甲軍団に対して反撃のため、動員し得る全装甲部隊を集結させるよう命じた。11月17日、第48装甲軍団は装甲6個師団、歩兵1個師団をもって反撃を開始する。最終作戦目標はキエフ!
はたしてマンシュタインは、キエフを奪回し、東方防壁を再建することができるのか ?
ドイツ軍最後のパーフェクト勝利となった装甲反撃が、今始まろうとしている。

MAP

内容

収録作品 激闘!キエフ奪回作戦-リュテシ橋頭堡1943-

 「激闘!キエフ奪回作戦」は、43年11月3日から12月3日までのウクライナの首都キエフをめぐる攻防戦をシミュレートしている。このゲームでは、名作「ターニングテーブル」で開発された戦術チットシステムの構想を、さらに進化させたユニークな「支援チット」システムを採用。
 支援チットは大きく分けて戦車チットとその他チットの2種類があり、その他のチットは基本的に使い捨てだが、戦車チットは装備として部隊に装着させ、戦闘比を自軍有利に1コラムシフト、重戦車なら2コラムシフトを得ることができる。
 ところが中にはドイツのティーガー大隊、パンツァー旅団、88ミリ高射砲などのように"AT"(対戦車)能力を持つ装備があり、戦闘前に敵軍の戦車チットを撃破し撃破した戦車チットのコラムシフトを無効にしてしまう。このため、満を持して開始された大攻勢が巧妙な対戦車陣地に遭遇して苦戦する等、実戦さながらの白熱した戦いが繰り広げられる。限られた情報の中で、どの部隊をどの敵にぶつけるかなどの計画はプレーヤーの頭を悩ませることだろう。
 その他陣地、奇襲、砲兵支援、スツーカ、カチューシャ等の他に魔女のバーサン、俺ケツなど源文調のチットまであり、それぞれ異なる効果を持ち効果的な使い方を考えさせる。様々な機能を持つ各種チットを効果的に使用すれば、少数の精鋭部隊にどれだけのことができるのかを存分に見せつけることができるだろう。
 このように、このゲームでの支援チットは単なる戦闘オッズの修正にとどまらず、チットの最適な運用をプレーヤーに考えさせるアバロンヒルの「ハンニバル」的な要素となっており、同じチットシステムの従来のゲームとは全く趣を異にしている。こうしたゲームシステムへの新たなアプローチは、今後のウォーゲームシステムの発展に大きな可能性を与えることだろう。
 また、戦場をキエフ周辺に絞り込んだことによって両軍の部隊枚数も50枚以下と、きわめてプレイしやすいゲームに仕上がっている。ぜひ実際にプレイして、ウォーゲームが達成した新たなる地平を検証していただきたい。そこに広がる世界は、かならずやあなたを魅了することだろう。

Q&A、エラッタ、最新版ルール

ゲームデータ

テーマ
1943年ソ連軍のドニエプル渡河後のリュティシ橋頭堡からの突破戦闘およびキエフ-ジトミル戦
カウンター数
約200枚
マップ
フルマップ1枚
ゲーム期間
1943年11月1日~12月1日
ゲームの範囲
1個装甲師団の作戦地域
ユニットの規模
ドイツ軍は1個師団、ソ連軍は1個軍団
プレーヤー数
2人
難易度(5段階、5が最高)/dt>
4人