「パンツァーカイル:ハルキウ攻防戦」は、1943年1月から3月にかけて繰り広げられた冬期戦をテーマにした「ハルキウ攻防戦」を再現しています。
本作は、弊誌78号収録作「パンツァーカイル:クルスク大戦車戦」と基本ルールは同じです。そのため、一方のゲームを行なえば、特別ルールに目を通すだけでもう一方のゲームも、すぐに行なえます。
[特集]
[ゲームの殿堂]第三次ハルキウ戦と
43年東部戦線冬季~春期戦役
[超ワイドグラビア]炸裂!バックハンドブロー!
~元祖・マンシュタイン軍集団の反撃~
[戦史概説]第三次ハルキウ戦
ソ連軍攻勢を挫いた南方軍集団
[人物列伝]バックハンドブローを演出した将軍たち
[短期集中連載]
EWEピコピコ中学生大戦
[連載]
リプレイコミック 松田大秀
最新研究が明かす帝国陸海軍の虚像と深層 長南政義
日本戦史雑話 大山格
最新SLG情報/GAME GUIDE/絶版ゲーム再生Project/Mrことくの過激にレポートするぜ!/知られざる名将たち/データでみる日米海戦/B級SFゲーム分科会/ASLの戦場/中国ウォーゲーム事情
1942年11月19日、ソ連軍の反攻作戦「ウラヌス(天王星)」が発動された。
ソ連は7個軍をもって独第6軍側面のルーマニア軍を突破した。スターリングラードの第6軍はたちまちのうちに包囲され、攻守が逆転してしまった。
この容易ならざる事態に対し、独軍きっての智将マンシュタインは、12月12日、第6軍救出作戦「ウィンターストーム(冬の嵐)」を敢行、独第57装甲軍団はスターリングラードまで、あと50kmの所まで迫った。
このとき、ソ連軍がロストフを目指す大包囲作戦に出たのである。救出作戦は中止となり、第6軍の命運は尽きた。
明けて43年、戦いの焦点はスターリングラードからロストフへと移行した。
怒濤のごとく迫り来るソ連軍。マンシュタインは機動防衛戦を展開し、ロストフ・ゲートを守り切った。
第1装甲軍は無事撤退、その側面を守り、殿軍を務めた第4装甲軍の最後の車両がロストフ・ゲートを渡ったのは、1月31日のことであった。
同じ日、第6軍が降伏。
更にその頃、独軍にはまたもや危機が迫っていた。ソ連軍がハルキウ、そしてドニプロ河に迫っていたのだ。ソ連軍にドニプロ河を渡られてしまっては、独南方軍が全て包囲され、スターリングラード以上の惨劇が展開される。……
しかし、マンシュタインは時を待った。ソ連軍がハルキウを奪回しても、ドニプロ河60kmの地点に進撃してきても、動こうとしなかった。
「全ての車両、動かず!」
2月28日、このソ連軍ポポフ機甲兵団の電文が、マンシュタインの手許に届いた。このとき、彼は麾下の部隊に命令を下した。
「反撃せよ!」