あの往年の名作が還ってきます!
「信玄上洛」は福田誠氏のデザインで1986年に出版され、日本史ボードウォーゲームの世界に旋風を巻き起こした「戦国群雄伝」シリーズの記念すべき第一作で、元亀三年、足利義昭、浅井・朝倉、本願寺、雑賀衆などと手を組んで対信長包囲網を結成し、織田・徳川連合領に侵攻を開始した武田信玄が、病に倒れずに上洛を目指したら…という歴史のIFを仮定したボードウォーゲームです。
今回の再販では、グラフィックの刷新、一部リサーチの正確化、ルールの明確化等を除き、可能な限り初版を忠実に再現しました。
あなたは、武田信玄となり、瀬田に武田の旗を掲げることができるのでしょうか?
それとも織田信長となり、京を確保し信玄の上洛を阻止できるのでしょうか。
すべては貴方の手腕にかかっています。
[特集]
ワイドグラビア「そのとき山が動いた」
ヒストリカルノート「信玄上洛の可能性」福田誠
プレイ指針「瀬田に武田の旗を立てよ!」
「信玄上洛」ミニシナリオ:三方ヶ原の合戦
「信玄上洛」デザイナーズノート
ゲームの殿堂「ゲームの中の武田信玄」
[連載]
リプレイコミック 松田大秀
坂の上の雲では描かれない日清戦争 別宮暖朗
日本戦史雑話 大山格
GAME GUIDE
絶版ゲーム再生Project/第二次大戦部隊編成分析シリーズ/データでみる日米海戦/知られざる名将たち/B級SFゲーム分科会/ASLの戦場
元亀三年十月初旬。小谷城で織田軍と対峙している浅井備前守長政の許に、一通の書状が届いた。
書状を読み進めていく長政の手が、感動のあまりうち震えていた。
長政は、その書状を読み終えるやいなや馬を立て、高峰の大獄へ陣取る朝倉義景の下に赴き、義景に伝えた。
「義景殿、山が動きましたぞ。」
今、戦国の世は新たなる段階を迎えようとしていた。
このゲームは、「もし信玄が病に倒れなかったら」と仮定した、武田信玄の上洛戦を扱っています。
各武将は駒の戦闘力に加えて野戦修正、行動力、そして統率力の三つの能力を持ち、野戦修正は野戦の際に両軍のサイの目を修正し、統率力は武将が率いることが出来るユニットの数、そして行動力は1ターンに行動できる回数を示しています。
1ターンは最大4回のステージに分かれ、武将は各ステージに移動または戦闘のどちらかのみを実施できます。
そして織田信長は行動力が最高の4で、ターン中の4回のステージ全てに行動できる一方、野戦修正は最低の1しかないのに対して、武田信玄は野戦修正はゲーム中最高の3、そして行動力も最大の4なので、武田信玄が作戦においては優勢に進められる一方、統率力は信玄の8に対して織田信長はゲーム中最大で12ユニットを率いることができ、織田の量に対して質で武田が対抗するという構図になっています。
また織田方は主力指揮官が全て行動力4で統一されているのに対して、武田方は一般に野戦修正は高いものの行動力がまちまちであり、システムの力で戦う織田に対して、武田が個々の武将の才覚で対抗するという図式にもなっています。
ゲームは、織田方が岐阜-京-堺の連絡線を確保しつつ支配領域の拡大と反織田軍の各個撃破を目指すのに対して、反織田方は上記の阻止と織田軍の撃破、そして武田軍の近江・山城への突入を目指します。
ついに信玄が果たすことができなかった上洛の夢を、あなたが信玄となって果たしてください。
「明日はその方が瀬田に旗をたてよ」