Game Journal.Net ゲーマーによるゲーマーのためのボードSLG専門誌

Game Journal.Net ゲーマーによるゲーマーのためのボードSLG専門誌

最新号

ゲームジャーナルNo.32 霧の関ヶ原

表紙

解説

関ヶ原の合戦は、我々が見慣れている関ヶ原の合戦の布陣図では、東西両軍が堂々の隊形で相対峙しており、これを見て関ヶ原の戦いに思いをはせる我々は、東西十万を越える大軍が「がっぷり四つ」の形で会戦に臨んだような印象にとらわれます。
しかし、東西両軍の主力が「関ヶ原」の野に現れたのはまさに合戦当日のその日の朝のことであり、しかも合戦当日の朝、関ヶ原の野は深い霧に包まれていました。
そして東西両軍は当日の深い霧が晴れる前に合戦に突入したために、両軍が相手の布陣を知ったのは、まさに合戦が開始された後の話だったのです。
つまり、関ヶ原の合戦は、東西両軍がお互いに相手の正確な布陣を知らないままに、なし崩し的に大合戦に突入した、いわば「遭遇戦」ともいうべき戦いだったのです。
特集記事では、意外と見過ごされがちな「遭遇戦」という視点から、関ヶ原の合戦を検証し直します。

MAP

内容

関ヶ原大作戦 ふ~ら~中村デザイン

1600年に徳川家康率いる東軍と、石田三成を中心とする西軍との間で戦われた関ヶ原戦役を、濃尾平野から畿内全域に至る作戦レベルで描く。
基本システムは、各武将または各武将の戦意ごとに行動カードが与えられており、山札から行動カードを1枚づつ引いていき、出た行動カードに対応する武将が行動できる。
本作の最大の特徴として、過去の関ヶ原戦役をテーマとしたゲームは、当時の複雑きわまる外交・調略工作を再現するため、ソロプレー不向きなものがほとんどだったが、本作は一方のプレーヤーのみが入手できる情報を全て廃し、あえて「完全ソロプレー可能」なようにデザインされている点。
ルールも可能な限り簡潔明瞭なように制作されており、従来関ヶ原戦役のゲームがプレー不可能な環境にあったプレーヤーにも、スピーディな展開で個々の局面においては決断を迫られる一方、予想不可能なバリエーションに富んだ展開で、「物語」としても展開を楽しむプレーが可能になった点が、最大の特徴であろう。
ソロプレー困難だと思われていた戦役級関ヶ原テーマに、新機軸を持ち込んだ会心作!

ゲームデータ

テーマ
1600年の関ヶ原の戦いを作戦級で再現
カウンター数
約90枚
マップ
1枚
ゲーム期間
1600年夏~同年冬
ゲームの範囲
濃尾平野~畿内
プレイ時間
2時間程度
プレーヤー数
1~2人
難易度(5段階、5が最高)
1

MAP【2】

内容【2】

収録作品
入札級関ヶ原 ~北条投了デザイン~

9月17日当日の関ヶ原の合戦をヘクスマップ+オーソドックスな戦闘システムで描く。
本作の最大の特徴として、合戦当日に至る複雑な両陣営の調略工作および政戦略要素を、一括して入札システムで処理。
本作では、当日の合戦外のエピソードは、全て指定されたターンに発生するイベントとして再現されている。
例えば、第1ターンに中山道に立花宗茂が登場、第2ターンに島津が参戦、第4ターンに毛利が参戦、第5ターンに小川朽木脇坂赤座の四将が参戦、第6ターンに小早川が参戦するが、プレーヤーは東軍または西軍プレーヤーとして入札でポイントを積んでおき、東軍はその妨害を、西軍はその実施をめざす。
その他イベントには「井伊直政の抜け駆け」「山内一豊城を献ず」「国崩しの故障」などがあり、全て入札によりその実施の可否を判定する。
このように、「入札システム」の導入によって、過去の作品では単に偶然として片づけられているか、切り捨てられていた合戦外のエピソードを、9月17日当日の合戦と統合しての再現を目指した、野心作!

ゲームデータ【2】

テーマ
1600年9月15日関ヶ原の合戦
カウンター数
約100枚
マップ
1枚(変形ハーフサイズ)
ゲーム期間
1600年9月15日本戦当日(1日)
ゲームの範囲
関ヶ原盆地の合戦場
ターンスケール
1ターン1時間
プレイ時間
2~3時間程度
プレーヤー数
2人
難易度(5段階、5が最高)
2